大村車両基地北端。
ここ数年来、土盛りをし、沈降に合わせて整地を続けていたと思う。
大村線側・および北端には擁壁が設けられている。新幹線の本線は、東側を走り、この場所からは見えない。新幹線と大村線は、ここから南に向かってだんだん接近するが、その間の三角地帯に基地が建設されることになる。ちょうど、新函館北斗駅近傍の函館総合車両基地が、函館本線と新幹線本線との間に設けられているイメージに重なる。
基地の南端近くから。大村線と本線は、かなり近接している。
基地予定地内には、まだ建造物などはない。
さて、この大村車両基地だが、仮にGCTが西九州ルートに正式採用されていたならば、新大村の軌間変換装置より佐世保線・長崎本線を介して、新鳥栖の軌間変換装置から鹿児島ルートに合流するルートで、車両を熊本総合車両基地へ回送できたはずなので、全般検査能を有する「総合車両基地」である必要はなかったはずだ。
ところが、GCT不採用が正式に決定したため、西九州ルートで使用される車両はフル規格車両となり、他線へ乗り入れない〝天涯孤独〟の運用を強いられる。
かつて、鹿児島ルートが新八代以南のみの暫定開業をした際、川内の車両基地は、「総合車両基地」ではなかった。全般検査に要求される、台車を含む重要部品のオーバーホールは、小倉工場へ陸送していたという。
同じ手を使うのなら、大村基地は総合車両基地ではなくなるのだが、一体どうなるのだろう?
参考になるのは、鉄道・運輸機構が基地建物諸設計を発注した際の公示書。一昨年度のものだ。
うーむ、そこにはたしかに「全検」の文字が躍っている。
となると、「大村総合車両基地」ということになる。
車両キロがさほど大きいわけではないのに、総合車両基地をエリア内に2箇所も設けなければいけなくなるとは。JR九州は泣いていると思う。