痴漢滅ぼすべし。

JR東日本が痴漢対策に一歩踏み込んだ。痴漢防止対策に関する実証実験の実施についてと報道発表。乗客がスマホアプリで犯罪事実を通知すると、車内放送で注意喚起すると共に、警察に通報が行く仕組みだ。

JR東日本プレスリリースより

我が国では多くの女性が性暴力被害に遭っている一方、立件される例は少ない。このことを以て「日本は女性にとって安全で性暴力は少ない」と断じる論調があるが、とんでもない間違いである。訴え出ることで二次被害を受けたり、そもそも警察が受理しないことが多かったりで泣き寝入りが多いのだ。女性にとって安全どころではない。日本は性暴力大国なのだ。

「車内で痴漢被害を訴えても周囲が見て見ぬ振りをした。そればかりか、〝被害を訴えることで列車を遅延させるな〟という非難すら受ける」という告発の声を幾つも聞いた。そもそも痴漢が放置されているのは、周囲がそれを容認するからである。多くの国では痴漢など男性を含めた他の乗客からフルボッコにされるが、情けないことに日本の大衆は、そんな正義感を持ち合わせてはいないのだ。ありもしない冤罪被害を恐れるばかりで(と言えば、創作物に過ぎない〝冤罪事例〟が持ち出される)、被害者の声に耳を傾けない。社会の構成員として安全な世の中を作るという道義的責務など、ほとんどの人が忘れている。

国中が卑劣漢の集まりと化した日本で、今回のJR東の措置が痴漢に対する抑止力となることを期待する。