7月11日、長崎トンネルを走行中の『かもめ』が障害物に衝突し破損、運転中止を余儀なくされるという事故が発生した。調査の結果、鉄道・運輸機構が発注した、新幹線西九州ルートの新長崎トンネル建設に起因する渇水対策として実施していた調査用のボーリングが在来線の長崎トンネルの壁を貫通、列車に支障したと判明した。
渇水対策を目的とした試掘ボーリングによるJR長崎本線長崎トンネル内走行車両との接触事故発生について(お詫び)
この事故の煽りは、近傍で予定されていた新幹線トンネルの貫通式典にも影響した。当初、鉄道・運輸機構は九州新幹線(西九州)、久山トンネル貫通式についてという予告をして祝賀気分を盛り上げていたのだが、それどころではなくなってしまい、九州新幹線(西九州)、久山トンネル貫通式の中止についてという発表をする羽目になった。
事故当日から既に、「国土地理院の地図に示された長崎トンネルの位置が数十メートルもずれており、地図上ではトンネルがないはずになっていた試掘ボーリング場所の直下に、実は長崎トンネルが通っていた模様」と指摘するツイートがあった。
そして本日、JR長崎本線長崎トンネル内で発生させた重大事故(渇水対策を目的とした試掘ボーリングによる走行車両との接触)の原因と対策についてという報道発表をし、地図に示されたトンネル位置を信じたために今回の事故に至ったことを認めた上で、在来線トンネル管理者のJR九州に事前に連絡をとるべきであったこと、そして今後は地図上の地下構造物については地図を過信せず、確認を怠らないことを明言した。
ふと屁理屈を考えた。通常のトンネル掘削とは、地面を掘削してその結果としてトンネルを建設するのであって、トンネルを掘削しているのではないではないか。トンネル掘削とは本来、この件のような事案のことではないか、と。そこで、本日のタイトルを思いついた次第だ。まあ、言葉の遊びである。
それにしても、人的被害が出ずに済んだのは不幸中の幸いであった。