JR北海道、「高速化に自腹切る」

JR北海道より、北海道新幹線新函館北斗・札幌間の高速化の要請についてという報道発表。260km/h対応で建設中の道新幹線延伸部分について、320km/h化に必要な防音壁かさ上げ・高架橋補強・トンネル緩衝工設置などに必要な工事費用約120億円を自社で負担することを国交省に要請し、鉄道・運輸機構などと協議したい旨を明らかにした。

320km/h化による所要時間短縮は5分を見込むというが、速達型を想定した場合、いくら何でも5分では少なすぎる。各駅停車を前提とした数値ではないかと思う。5分が少ない、というのは、以下の事実からの推察である。

東北新幹線の仙台〜盛岡は171.1km。新青森全通の2010年12月4日時点では、275km/h運転の『はやて』は、途中無停車で43分をかけて走っていた。翌2011年3月5日改正で登場した『はやぶさ』は、300km/h運転を実現し、同区間を42分で走行。1分しか短縮してないのは〝新システムの様子見〟だっただろう。2013年3月16日改正で39分に短縮。275km/h時代と比較したら4分の短縮。新函館北斗〜札幌間は211.7kmあり仙台〜盛岡よりも長く、しかも260km/hからの比較だから、もう少し縮めることは可能だと思われる。

実際320km/h運転を標榜する『はやぶさ』に乗っても、各所で先行列車による頭打ちがあり、実際にその速度で走行している区間はあまりない。道幹では、遅い列車に抑えられることも、運転密度もさほど高くないので、速達列車ではさらに短縮できる可能性はある。

最初のトンネル。

新函館北斗駅から札幌方へ向けて、まだレールが敷設されていない路盤が伸びている。その延長線上の山にぶつかるところが、渡島トンネル村山工区である。本坑の坑口が、こちらを向いているのがわかる。

『スーパー北斗』に乗って急勾配を登り始めると、すぐ脇を通る。

東京起点 824.6km付近。

道幹進捗状況。

北海道新幹線延伸部の工事進捗状況(4月1日現在)

地上区間は発注されていないので、工事進捗=トンネル となる。掘削済延長28.297km。履工済部分は15.092km。トンネル履工完成部分を土木工事完成とみなすと、北海道新幹線延伸部の土木工事完成率は、7.13%である。

それは無理な相談だ。

新幹線西九州ルートは、与党検討委の中ではフル規格一択に傾きつつあるらしい。それは当然の判断だが、沿線負担の問題が立ちはだかる。

そりゃ、長崎県に払わせるのは無理だろう。佐賀県も長崎県も、今までのところ従来の原則を主張しているだけである。関係者は当然、別の手段を模索中のはずだ。

道幹、ついに地上区間工事を発注へ。

4月1日=四半期最初の日なので、鉄道・運輸機構発注見通しを更新する。

北海道新幹線建設局では、新函館北斗〜札幌間の延伸工事においてついに初めて、地上区間の工事を今年度第4四半期に発注することとなったようだ。

市渡高架橋他工区。新函館北斗駅の札幌方に、路盤が300メートル弱ほど完成しているが、その末端から渡島トンネル村山工区までの間の約300メートル程の工事が発注される模様。

2012年の着工以来、すでに7年が経過している。

お古?

新幹線西九州から外れる佐世保線の輸送改善を図るため、長崎県には「佐世保線等整備検討委員会」というものがあるらしい。

先日同会とJR九州等が会談し、佐世保線の軌道改良と振子車両の導入を決定したそうだ。

振子車両って、885系?

西九州ルートが暫定開業したら、885系の活躍範囲は狭まる。それを佐世保線に転属させるだけなのかなあ。

車齢はどのくらいだろう、と思って調べたところ、2000年に運行開始で、一番新しくても2004年だそうだから、もう耐用年数が近い。暫定開業までまだ数年だから、新造するのかな。