「長崎新幹線」しばらく止めませんか?

 佐賀県は建設に極めて消極的であり、同県内自治体の一部は並行在来線の経営分離に強く反対しています。新幹線駅のできる佐賀市ですら、在来線の本数が減ることに強い懸念を示しています。整備新幹線建設は、在来線の扱いを含め「地元の同意」が絶対条件ですから、現時点では建設に踏み出せないはずです。04年7月の参院選では、新幹線建設休止を訴えた民主党候補が長崎選挙区で当選したことも考慮しなければなりません。佐賀・長崎両県での世論調査結果では、いずれも建設に対する慎重な意見の方が、積極推進派よりも多いとのことです。

 個人的には、どうして「長崎」なのか、不自然さを感じることを禁じ得ません。沿線人口や現行の在来線輸送実績等を勘案すれば、もし長崎新幹線の建設が許容されるならば、「松山新幹線」や「水戸新幹線」があってもおかしくなく、それよりも中央新幹線が基本計画路線から整備計画路線に格上げになるべきです。与党の整備新幹線検討委員会の座長が長崎選出、ということで、無理に整備着手をしようとしているのかもしれませんが、こういう無理を通せば、ただでさえ世論の強い批判を受けている同事業への風当たりがいっそう強くなることが懸念されます。長崎は現時点では諦め、他に建設資金を回し、開業を急ぐべきでしょう。


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