北海道新幹線 最高速度向上でも再度の環境アセスは不要なのでは?

2010年9月9日

やはり「着工しない言い訳」だったのか?9月8日に開催された北海道議会の新幹線・総合交通体系対策特別委員会における、道側の答弁はそう感じさせる。前原大臣はさきに、道新幹線(新函館以北)着工認可の為には、最高速度を向上させるべきという条件を提示したが、道担当者は、そのためには環境影響評価(環境アセスメント)の再実施が必要であり、認可が最大3年遅れることを示唆したのだ。もちろん北海道の責任ではなく、担当者は国交省の意を汲んだに過ぎないのだろうが、ルートの変更も伴わないのになぜ環境アセスが必要なのか?もちろん最高速度向上によって、騒音レベルが上昇したりするならそれは必要になるだろうが、2013年春から東北新幹線において320km/h運転を実現するにあたり、「現状非悪化」の原則を遵守するからこそ、この速度に落ち着いたのである。環境に与える影響が変わらない限り、環境アセスが必要であるという考えは理解できない。「数字が大きくなったから事務的にアセスを行う」というのならば、技術の進歩を考慮しない、単なる形式的な役人の発想に過ぎないのではないか?そのような形式主義に付き合わなくてはならない理由など、全く見あたらない。

 

それとも、住宅密集地でもない場所では、騒音を含む環境基準を大幅に緩和をし、例えば360km/h運転で認可しようというのだろうか。それなら話は別である。大いに前向きに検討すればよい。しかし、たとえそうだとしても、住宅密集地ではないのだから、調査に何年もかける理由はやはり見あたらないのである。

 

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